オトナだから愛せない




「皐月くんも今帰りだったんだね。会えて嬉しい!」




俺の鼓動が早いのは胡桃のせい。あーあ、好きなところなんて、全部言葉にしてたらキリがない。




「あ、てか、皐月くん!私にばっかり言わせてずるいよ!

「で、もう終わり?俺の好きなところ?」

「こんなもんじゃないよ!まだまだたくさんあり過ぎてキリがないくらい!」




胡桃のその言葉に胸がぎゅっと掴まれた。ずるいのはどっちだよ。さらりと胡桃の頭を撫でる。




「皐月くん?どうしたの?」

「なんでもない。いーから帰るぞ」

「えー、なに?ねぇ、ところで私の好きなところは?」











「ねぇ、なにが?なにがそーいうところなの?」

「分からないならいーよ」

「えー、嫌だ!教えて!」

「だから、お前のそーいうところだって」

「(なんか、皐月くんすごく機嫌いい)」





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