文の幸福
私は華の方へ歩みを進めた。

目が合わないように、近づく。

「ちょうだい。」と華が私に声をかける。

微妙に目を合わさないように気遣いながら

「アルコール、ノンアルコールどちらがよろしいでしょうか。」

「ノンアル」

「どうぞ、失礼します」

と言って、近くのテーブルにトレイを下してドリンクを渡し、軽く会釈をしてまた歩き出す。

華は気づいていない。

ニヒヒヒ!ちょっとしたスパイ気分!脳内にMIⅡのリンプが爆音で流れはじめ、楽しくなってきた。

楽しくて、笑みを浮かべながら、ホールを回っていると、「ねぇ、君。」と声をかけられる。

「飲み物ちょうだい。
ねー君。今日何時に仕事終わるの?この後。飲みに行かない?」

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