文の幸福
あれから十年。文が大学を卒業してすぐに籍を入れた。
文が、大学在学中に事業を軌道にのせ、オレは、図書館という限定した環境にあったシステムを開発し、格安で売った。
正直生活ができればいいと思っていたが、前に働いていた館員のジジーババーどもの知り合いや、子供らが大物だったせいか、あらゆる図書館に採用された。
小学校から老人施設まで。
おかげで、文ほどではないが、文が卒業する頃には収入の軌道は安定していた。
オレがもうすぐ、三十路、文は二十八だ。
子供は二人いるが、両方の親が隔週で孫を奪っていくから、週末は殆ど、文と二人っきり。
・・・まだ、満足できていない。
日々、文にべったりくっつき、仕事を手伝いつつ、隙があれば抱いているが、満足できない。
今は金曜の夕方、日曜の夜まで子供達は帰ってこない。
日曜の朝までは家中でお互い求め合うのがここ最近の俺たち、いつの日か満足できる日を夢見る。
―――――――――――手のひらでコロコロ仁君・END――――――――――
