愛され女子になりたくて
side 青山
夕方近くに、全ての買い出しを終えて部屋に戻ってきた。

「腰を落ち着ける前に、カーテン取り付けちゃうか」

「はい」

二人で分担して、サクサクカーテンを取り付けてく。
花菜美とこうやってると、新婚カップルのようで擽ったいような感じがする。
でも、決して嫌じゃないんだよな・・・。

「うん・・・いいですね!健吾さん、ありがとう」

花菜美のこの笑顔、ずっと見ていたい。

「一息入れましょう!私、珈琲淹れます」

クルクルと良く動く。
きっとコレが、本来の彼女なんだろうな。
オフィスで仕事をしている時と違い、イキイキとしている。

「はい、どうぞ。今日は一日付き合ってもらった上に、色々揃えてもらってホント、ありがと。健吾さんのおかげで一気に用意できました」

「良いんだ、俺がそうしたかったし。男の一人暮らしだから、ウチも全て揃ってたわけじゃなかったから。あまり、気にするな」

「お礼にもならないけど、家事とか、ご飯とかは私がするから。健吾さん、課長になったんだし、私がいる間は仕事に専念してね?」

「悪いな。でも、掃除とかは週に一度ハウスクリーニングも頼んでるし、無理はしなくて良いぞ。メシだってケータリングやデリバリーもあるし」

「・・・この家物があまりないし、掃除は楽だと思う。だから、ハウスクリーニングは要らないよ。お金勿体ない。料理は好きだし、その分は、偶に外食にしましょ。健吾さん、心配し過ぎですよ」

「部屋探しだってあるわけだし、初めから飛ばし過ぎると息切れするぞ。それに、花菜美だって仕事はしてるんだ、できる範囲で・・・な?」

「・・・はい。でも、料理はホントに趣味だから!」

納得はしていないようだが、無理をして欲しくないのは本音だ。
このまま、二人暮らしがずっと続けば良いと考えてる自分がいる。


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