愛され女子になりたくて
何とか、一日を無事に乗り切って部屋に帰ってきた。

昼休みに姉と東海林部長に今朝の経緯を話して、共有してもらったので、後は健吾さんに話しておかなくては。

部屋着に着替えてエプロンを着けると、早速夕飯の支度を始める。

お米を研いで、雑穀米を混ぜて炊飯器にセットする。

大葉を刻み、水抜きした木綿豆腐を潰して鶏挽肉を混ぜる。
酒と砂糖と醤油を適量、卵黄と刻み大葉と青ネギを入れてよく混ぜる。
バットに小麦粉少量振り撒き、その上に成形した物を乗せていく。
しめじとエノキをごま油で炒めて、少し薄めた麺つゆでひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉でとろみを出しておく。

今夜は、和風ハンバーグにした。
浅く漬けた柚子と白菜を小分けにしておき、ほうれん草と南瓜のお味噌汁とで、和定食。
健吾さんが帰ってきたら、ハンバーグを焼いて出せば、出来たてで美味しいはず。

「ただいま。何か、美味そうな匂いがする」

健吾さんが帰ってきた。

「おかえりなさい。着替えて来る間に出来るから」

「わかった。弁当美味かったよ」

空のお弁当箱を出して、着替えに行った。
いつの間にしたのか、中身はキレイに洗われていた。

成形しておいたハンバーグの両面に焼き色を付けて、中火で蒸し焼きにする。
お味噌汁を温めてからお椀によそい、焼きあがったハンバーグを盛り付けて和風餡をかけて完成、
炊きあがった雑穀米をよく解して、お茶碗によそったところで、着替えた健吾さんが出てきた。

「今日は和風だね。美味そうだ」

「健吾さん、ビールは飲む?」

「ああ、貰おうかな」

「うん。ちょっと待ってね・・・はい」

「サンキュ」

いただきますと言って、食べ始める。
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