無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
最後に食べようとして残しておいたのに!
キッと睨もうと視線を合わせる.....と。
「....んま」
「っそ、それはよかったです...」
味はお気に召したらしく、彼はすこしだけ口角を上げて。
ほんの一瞬、小さな笑みを浮かべた....気がした。
ずっとポーカーフェイスを崩さなかった彼の、不意打ちの笑顔。
....顔が整ってるってずるい。
言い返そうとした言葉はどこかにいってしまった。
するも他の人たちからも、「えっ!律が手料理食べた!!」「....めずらし」なんて声が聞こえて。
....普段、他の人が作った料理食べないのかな?
潔癖症とか?....なんて、そんなことを考えていると。
───キーン、と授業の予鈴を知らせるチャイムが校内に響いた。