無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
【B倉庫到着】
真っ黒なアイコンからのメッセージ。
''あのひと''つまり、香山からだ。
B倉庫....?
「ちなみに、B倉庫ってここ」
「え....、そのひとが、私を拐うひとですか....?」
「せーかい。今だから教えてやるけど、このひと元ヤクザだから。一回捕まったら逃げらんねーよ?」
「......、」
あの桜雅でも、ぜってえ敵わねえよ?
そう付けたして、楽しそうに笑う中村さん。
くく、と喉を鳴らすこのひとは、どこか壊れている。
「....なんで、中村さんはそんなひとの言うこと聞いてるんですか?」
「んー....日頃から羅灰がイロイロお世話になってるから?。まー、ずっと桜雅のことは気に入らねえし、協力してんの」
「....そのひとと羅灰のグル、ってことですか」
「はは、そーいうこと....っと、そろそろタイムオーバーだ、アオイミオ」
カタカナっぽい響きで名前を呼ばれて、中村さんが私から背を向ける。
─────扉の向こうから、タン、と足音がした