無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
桜雅くんは、とてもあたたかいひと。
たまに意地悪で、失礼なときもあるけど....私は桜雅くんのやさしさに二度も助けられた。
「やさしいね、桜雅くんは」
桜雅くんを見上げながら、小さく微笑む。
「....普通、だろ」
少し頬を染めながら、ふい、と顔を背ける桜雅くん。
....意外と照れ屋さん?
「桜雅くんの''普通''に、私は助けられたよ」
にこりと微笑むと、桜雅くんはびっくりしたように、目を大きく見開いて。
ふわりと、嬉しそうな表情をつくる。
なんでそんなカオ......?
「ほんと、おまえ変わってる」
桜雅くんの伸ばした手が、私の頭に触れそうになった瞬間。
「あのー....お取り込み中ごめん。おれたちもいるんだけど?」
後方から飛んでくる、呆れを含んだ声。
あわてて桜雅くんから距離をとる....と。
「おまえら....」
声の方向に身体を向けると、にやりと楽しそうに笑う松岡くん含め、桜蕾幹部みなさん、全員集合。