晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「じゃあ、行こうか。
 乗って。」

課長にドアを開けてもらい、二度目となる助手席に乗り込む。

課長の車は、黒の国産SUV。

会社では特にそんなイメージはないけど、もしかしたら、アウトドア系なのかな?

お父さんのセダンと違って、すごく見晴らしがいい。

「ランチ、行きたい店ある?」

「好き嫌いはないので、どこでも大丈夫
 です。
 あ、でも、昨日、フレンチだったから、
 和食がいいかなぁ。」

私がリクエストを言うと、

「了解。」

と言って、課長はアクセルを踏んだ。


 5分程走って、課長はコインパーキングに車を止めた。

「和食っていうか、小料理屋?みたいな感じ
 だけどいい?
 おふくろの味っていうのかな?
 そんな高級なものは置いてないし、全然、
 おしゃれでもないんだけど… 」

課長は、最後の方でごにょごにょと口ごもる。

「いいですよ。
 課長のおすすめなんですよね?」

「それはもう!
 ただ、デートで連れてくるような店じゃない
 というか… 」

ああ! それを気にしてたんだ。

ふふっ
そんなの、気にしなくていいのに。
やっぱり、課長、かわいいかも。

「私は、そういうお店、初めてなので、
 嬉しいですよ。ファミレスとかと違って、
 大人のお店って気がするじゃないですか。」

私がそう言うと、課長はパッと顔を綻ばせた。

「そう? なら、いいけど。」

そう言って、課長は、大きな白い暖簾の下がった通り沿いの店へと連れてきてくれた。

課長は暖簾を軽く上げて、引き戸をカラカラッと開ける。

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