晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
 その日の夜、そろそろお風呂…と思っていたら、電話が鳴った。

「課長だ!」

私はうきうきと電話に出る。

「こんばんは。」

『こんばんは。
 今、何してた?』

「特に何も。
 そろそろお風呂に入ろうかなって思ってた
 ところです。
 課長は?」

『ん、今、帰ってきたとこ。
 会社じゃ話せないから、晶の声が
 聞きたくて。』

嬉しい。
そんな風に思ってもらえるなんて。

「課長は、もう晩ご飯食べたんですか?」

『いや、今、弁当を温めてて、丁度、
 ピーピー鳴ったとこ。』

「じゃあ、冷めないうちに食べなきゃ。
 電話、嬉しかったです。
 ありがとうございました。」

『ん、そう言ってもらえてよかった。
 晶、好きだよ。』

どうしよう。

電話越しに耳元で囁かれると、いつも以上にドキドキする。

こういう時、なんて返せばいいの?

智也にこんな風に言われたことあったっけ?

いや、なかったかも。

智也とは電話じゃなくてメールが多かったから。

「あ、あの… 」

私が返事に困ってると、課長はまた優しい声で言う。

『晶も風呂入るんだろ?
 また、明日な?』

「はい。
 また明日。」

はぁ………

私は電話を切って、ため息を吐く。

なんでもうちょっと気の利いたことを言えないんだろう。
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