晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
嘘!?
まさかとは思うけど、智也、それを知ってて雪菜に乗り換えたの?

信じられない。
っていうか、信じたくない。

でも、智也はあんな奴だけど、仕事はちゃんとするし、結構出来る奴。
それなりの野心もある。
同期で1番早く役職に就きたいって言ってた。

でも、まさかね……


その後、私は友人代表のスピーチをした。

「雪菜、幸せになってね。
 智也、雪菜を泣かせたら、同期一同、
 絶対に許さないから、覚えておいてね。」



 披露宴は、幸せに包まれて、無事、終了した。
二次会からは、雪菜の招待で龍も出席する。

 ほぼ同期会のような二次会なので、幹事はいつも同期会を仕切ってくれている寺戸(てらど)くんと真美(まみ)に任せて、私は龍と気楽に参加させてもらう。
寺戸くんと真美は、同期の中でも、怪しいと噂なんだけど、全く認めようとしない。
やっぱり、社内恋愛ってそういうものなのかな。

 私は披露宴で雪菜と話せたので、二次会ではおとなしく隅の方に龍と座った。

「課長、知ってました?
 雪菜って、社長の姪御さんだったん
 ですよ!」

「え、そうなんだ?」

驚いた龍が目を丸くする。

「披露宴に新婦側の主賓として、社長が
 いらっしゃってて、そうおっしゃったん
 です。」

龍とそんな話をしていると、同期の女子数人がこっちにやってきた。

「速水課長、
 晶と付き合ってるんですよね?」

涼香がにっこり笑って龍に尋ねる。
< 73 / 95 >

この作品をシェア

pagetop