晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「そんなはずないよ。
 もし仮に智也がそんなことを考えたと
 しても、私は永遠に龍の奥さんだからね?
 それが例え智也でも、それ以外の人でも、
 私は、龍以外の人の所へなんて
 行かないよ?」

私は一生懸命、龍を安心させるための言葉を紡ぐ。

「ああ。そうだよな。
 でも、前みたいな事があると困るから、
 しばらくは一緒に帰らないか?」

龍の留守中に襲われることを心配してくれてるんだ。

「でも、そしたら、晩御飯が遅くなるよ?」

「いいよ。
 しばらくは、コンビニ弁当でも、
 外食でも。
 ほとぼりが冷めて落ち着くまでだから。」

龍のその心遣いが嬉しい。

「じゃあ、そうする。
 なんか、最初の雨の日みたいで
 嬉しいかも。」

私たちは、あの日、いくつもの偶然が重なったお陰で今がある。

いつも残業の龍がたまたま早く帰ろうとしたこと。

朝は晴れてたのに、夕方、突然雷雨に変わったこと。

龍が傘を持っていなかったこと。

私はたまたま傘を持っていたこと。

どれか一つでも違っていたら、今の私たちはなかったかもしれない。

それくらい、あの雷雨の日は特別なものだった。
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