晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「龍、あのね、」

私は、帰宅した龍と夕食を食べながら、今日聞いたことを伝えて相談する。

「雪菜にこっちから連絡していいと思う?
 それとも自分から言ってくるまで、そっと
 しておいた方がいい?」

「うーん、難しい問題だなぁ。
 とりあえず、お土産を渡したいって連絡
 してみれば?
 直接会っての方が話しやすいかも
 しれないし。」

「そっか。
 そうだよね。
 そうしてみる。
 龍、ありがとう。」

龍に相談してよかった。

「晶は?」

「ん、何?」

「晶は大丈夫?」

龍が心配そうに私の顔を覗き込む。

「何が?」

「晶にしてみたら、元彼とその浮気相手が
 結婚した上に、スピード離婚だろ?
 納得できないものがあるんじゃない?」

ああ、そういうこと。

「全然。
 そりゃ、別れた時とか、雪菜と結婚が
 決まった時は辛かったけど、そんな傷、
 綺麗に龍が癒してくれたよ。
 私にとっては、もう、親友と
 その旦那さんでしかないもん。
 ある意味、私と結婚しないでくれたことに
 感謝したい気分だよ。」

智也は明るくてノリが良くてまめでフットワークが軽いから、デートしてても楽しかった。

でも、それは決して誠実ではなかったんだ。

「それならいいけど… 」

龍はまだどことなく心配そうな表情を崩さない。

「龍? どうしたの?」

「俺、晶が弱ってるところに
 つけ込んだから…
 もし、あいつがフリーなら、今度は晶を
 取り返しに来るんじゃないかな。
 別れた後も執着してたみたいだし。」

もしかして、智也が私の部屋に来たあの日のことを気にしてる?
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