15年目の小さな試練
自分の支度を済ませた後、薬を飲ませるためにハルを起こした。
「ハル、ハル」
好きなだけ寝かせておいてあげたいけど、ハルは決まった時間に薬を飲まないといけない。
「ハル」
何度か声をかけると、ハルがうっすらと目を開けた。
「ハル、おはよう」
ぼんやりとオレを見るハル。
だるそうな呼吸と、熱に上気した肌と潤んだ目がかわいそうでならない。
「……おは、よ」
少しかすれた声で、ハルは答えてくれた。
頭をなで、額に浮かんだ汗を拭う。
「ハル、ご飯食べられそう? 薬飲まなきゃいけないから」
そう聞くけど、ハルは左右に小さく首を振った。
「おかゆか、ゼリーならどうかな? それか、自家製スムージーとか」
「……ゼリー、少し、なら」
本当はたぶん、まったく欲しくないんだろうなと思う。
ただ、何も胃に入れずに薬を飲むのは良くないと、ハルはよく知っているから。
「すぐ持って来るね」
「ん。……ありがと」
「ハル、ハル」
好きなだけ寝かせておいてあげたいけど、ハルは決まった時間に薬を飲まないといけない。
「ハル」
何度か声をかけると、ハルがうっすらと目を開けた。
「ハル、おはよう」
ぼんやりとオレを見るハル。
だるそうな呼吸と、熱に上気した肌と潤んだ目がかわいそうでならない。
「……おは、よ」
少しかすれた声で、ハルは答えてくれた。
頭をなで、額に浮かんだ汗を拭う。
「ハル、ご飯食べられそう? 薬飲まなきゃいけないから」
そう聞くけど、ハルは左右に小さく首を振った。
「おかゆか、ゼリーならどうかな? それか、自家製スムージーとか」
「……ゼリー、少し、なら」
本当はたぶん、まったく欲しくないんだろうなと思う。
ただ、何も胃に入れずに薬を飲むのは良くないと、ハルはよく知っているから。
「すぐ持って来るね」
「ん。……ありがと」