15年目の小さな試練
「お義母さん、ハルのこと、お願いね?」
「はいはい。それもう5回目だから」
今日は日勤だというお義母さんが通勤の時に、沙代さんと一緒にハルを病院に連れて行ってくれると言うから、オレは後ろ髪を引かれながらも大学に行くことになった。
お義母さんが診察しただけじゃ足りない程度には、ハルの調子は良くない。
さっき熱を測ったら39度8分もあったし、呼吸も酸素を吸入してもなお苦しそうで。
「何かあったら、電話お願いします」
「うん。それも5回目」
苦笑いしながら、お義母さんは答える。
「でさ、陽菜は叶太くんの愛妻だけど、私にとっても可愛い娘なんだって、思い出して欲しいな~なんて」
「あーうん、もちろん分かってるんだけど」
「うんうん、分かってても陽菜のこと好きすぎて、抑えが効かないんだよね」
からかうような声で言われるけど、そこに異存はない。
「そう! そうなの! だから、若干くどいのは許して!」
そう返したオレの言葉にお義母さんは吹き出し、キッチンからは沙代さんの忍び笑いが聞こえてきた。
「はいはい。それもう5回目だから」
今日は日勤だというお義母さんが通勤の時に、沙代さんと一緒にハルを病院に連れて行ってくれると言うから、オレは後ろ髪を引かれながらも大学に行くことになった。
お義母さんが診察しただけじゃ足りない程度には、ハルの調子は良くない。
さっき熱を測ったら39度8分もあったし、呼吸も酸素を吸入してもなお苦しそうで。
「何かあったら、電話お願いします」
「うん。それも5回目」
苦笑いしながら、お義母さんは答える。
「でさ、陽菜は叶太くんの愛妻だけど、私にとっても可愛い娘なんだって、思い出して欲しいな~なんて」
「あーうん、もちろん分かってるんだけど」
「うんうん、分かってても陽菜のこと好きすぎて、抑えが効かないんだよね」
からかうような声で言われるけど、そこに異存はない。
「そう! そうなの! だから、若干くどいのは許して!」
そう返したオレの言葉にお義母さんは吹き出し、キッチンからは沙代さんの忍び笑いが聞こえてきた。