冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
「私も北高でいいよ。別に大学に進学する訳じゃ無いしね。千夏はどうする?」



「えっ、えーと……、さやかが行くなら私も北高に行く。それに雫ちゃんとも一緒にいたいし」



ジーザス! 親友二人も来てくれるの。ゴメンね、わたしが馬鹿なばかりにこんな事になって。



「さやかと千夏まで!」



「小春は何が気に入らないんだ? 小春も別に大学へ進学する気無いんだろ。バンドやシンガーソングライターとしてやってくんだから高校なんて何処でもいいだろ?」



さやかは隅に置いてあるキーボードを弄りながら小春へとそう投げかけた。




小春は言葉に詰まり、肩を震わせながらコートの裾をギュッと握りしめた。



そんな彼女に蓮は近づき肩に手を添えた。



「別に今すぐ答えを出す必要はない。ハルはハルなりの答えを出せばいい。まあ、出来ればハルにも来て欲しいと言うのがオレの勝手な本音だ」



「……う、うん」



彼女は少し涙を滲ませながらコクリと頷いた。
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