異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「……ごめん、まだ話せる自信がない。でも、雪を信用してないとかじゃないんだ。 俺がちゃんと、過去と決別できてないから……」


エドガーの思いつめたような顔を見たら、私はそれ以上追求することはできなかった。


「じゃあ、すべてを話さなくてもいいから、私のことを頼ってくれる?」

「もうじゅうぶん頼ってるけど、今まで以上に雪に寄りかからせてもらうよ」

「うん、なら早速こっちに来て!」


私は「え?」と呆けているエドガーの手を掴んで、水の音がする方へ足を進める。

少しして流れの穏やかな川を見つけた私は、大きめの石の上にエドガーを座らせた。

それから川べりにしゃがみ込み、ハンカチに水をたっぷり含ませてエドガーのもとに戻る。


「服、捲っててね」


私はエドガーの背中の上でハンカチを絞り、そこから出た水で傷口を洗う。

それを何度か繰り返して、旅の必需品だからとオリヴィエが一人ひとりに持たせてくれた傷薬と包帯をポシェットから取り出した。

そして、エドガーの背中の擦り傷に薬を塗り、包帯を巻いてあげる。

でも、手当ての経験なんてなかったので、何度も包帯が解けては巻き直した。

そのせいで、だいぶ時間がかかってしまったけれど、エドガーは急かすことなく待っていてくれた。

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