異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「はあっ、はあっ……まだ、ここにいてくれてよかった!」
腰を屈めたロズベルトさんは膝に手をついて、息を整えると私たちに向き直って勢いよく頭を下げる。
「おかげさまで、試験に間に合いました。今日だけのことだけじゃなくて、夢を諦めるなって背中を押してくれて、ありがとうな! もしダメでも、この身体が動くうちは何度だって挑戦するよ」
そう言って、顔を上げたロズベルトさんは晴れやかな笑顔を浮かべていた。
何度も頭を下げて帰っていくロズベルトさんの背中を見送りながら、私は目の前にある黄昏の海に沈んでいく夕日へと手を伸ばす。
「夢ってものすごく遠いところにあって、それをずっと追い続けるのはちょっとしんどいっていうか……」
私も料理を覚えたてのときは比べる段階にないのに、お母さんのクォーリティの高さに打ちのめされて自分には無理だって思ったりもした。
「ときどき、あれだけ好きだったはずの夢が大嫌いになったりして立ち止まったり。そこから動き出すのって、ものすごく大変なんだよね」
「そうだね。俺も発明を始めたばっかりの頃は……というか今も自分が思い描いた理想の発明家にはなれてない気がして、しんどいかな。でも、そんな俺の発明をすごいって雪が言ってくれたから、もっといろんな発明に挑戦してみようって思えた」
俺のしてることは誰のためにもなってない、と言っていたエドガーから前向きな言葉が聞けた私はうれしくて頬を緩める。
腰を屈めたロズベルトさんは膝に手をついて、息を整えると私たちに向き直って勢いよく頭を下げる。
「おかげさまで、試験に間に合いました。今日だけのことだけじゃなくて、夢を諦めるなって背中を押してくれて、ありがとうな! もしダメでも、この身体が動くうちは何度だって挑戦するよ」
そう言って、顔を上げたロズベルトさんは晴れやかな笑顔を浮かべていた。
何度も頭を下げて帰っていくロズベルトさんの背中を見送りながら、私は目の前にある黄昏の海に沈んでいく夕日へと手を伸ばす。
「夢ってものすごく遠いところにあって、それをずっと追い続けるのはちょっとしんどいっていうか……」
私も料理を覚えたてのときは比べる段階にないのに、お母さんのクォーリティの高さに打ちのめされて自分には無理だって思ったりもした。
「ときどき、あれだけ好きだったはずの夢が大嫌いになったりして立ち止まったり。そこから動き出すのって、ものすごく大変なんだよね」
「そうだね。俺も発明を始めたばっかりの頃は……というか今も自分が思い描いた理想の発明家にはなれてない気がして、しんどいかな。でも、そんな俺の発明をすごいって雪が言ってくれたから、もっといろんな発明に挑戦してみようって思えた」
俺のしてることは誰のためにもなってない、と言っていたエドガーから前向きな言葉が聞けた私はうれしくて頬を緩める。