異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~


「こんなに朝早くから発明をしてるんだ。そうだ、朝食を差し入れてあげよう」


私はさっそくキッチンに行くと、エドガーが手作りした冷蔵庫を開ける。

中からひやっとした冷気が出てくる仕組みは昨日も聞いたのだけれど、なんとかエネルギーがどうのこうのと難しすぎて理解できなかった。


「朝食、なににしようかな。発明の片手間に食べれるものがいいよね」


私は食材を見ながら、メニューに悩んでお母さんの分厚いレシピ本を開く。


「あ、おにぎらず……」


握らないおにぎり、『おにぎらず』はお母さんがランチワゴンでお弁当屋を開いていたときの人気メニューだった。


お母さん……。


レシピに書かれたお母さんの文字を切ない気持ちで指先でなぞりながら、私は材料を確認する。

するとそこには【プランブランの代わりに醤油を使う】と書いてあった。


「お母さんのレシピ本に、どうして異世界の調味料の名前が?」


他にも異世界の調味料や食材を日本のものと比べるような説明書きがたくさんあり、困惑していると背後から声がかかる。
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