異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「髭もモサモサ、髪もモサモサ、それだと初対面から印象が悪くなっちゃうよ。私はエドガーがいい人だって知ってる。だから、これから出会う人たちにも、それがわかってもらえるようにしたいの」
現に私は、彼と初めて会ったときに不審者かと勘違いした。
第一印象は大事なので、そう言い聞かせると彼は渋々ではあるが髭を剃りだす。
その間に私は彼の衣服を取りに一旦、洗面所を離れた。
勝手に入るのは申し訳なかったけれど、彼の部屋のタンスを開けて比較的綺麗そうな服を手に取るとエドガーのもとへ戻る。
すると、鏡越しに目が合った美男を見て絶句した。
肌艶から二十代半ばではあるだろうと思っていたけれど、髭と長い前髪のせいで年老いて見えた彼が今や別人だ。
きりっとした眉にすっと通った鼻筋、引き締まった口元にシャープな輪郭が表れて明らかになった彼の顔貌は高貴ささえ感じさせる。