同期は蓋を開けたら溺愛でした
「ねえ。大友」
「ん?」
「私たちこのまま同期じゃダメなの?」
「……俺はただの同期にここまでしないけど?」
「そっか」
私は背中に回す腕に力をこめて口を開く。
「じゃ付き合……」
全て言い終わる前に大友は被せるように言葉を発して、最後まで声に出せなかった。
「今は聞きたくない」
頑として受け入れない姿勢を見せる大友にそれ以上、声をかけられなかった。
レンジの温めが終わると私は有無を言わさず、いつもの定位置に降ろされ座らされる。
もちろん大友は隣に座った。
「ほら。食えよ」
大友は気怠げに頬づえをつき、スプーンで私の口元に親子丼を運ぶ。
「自分で食べれる。それにコンビニ弁当ならここ数日とおんなじ」
「煮物も買ったぞ。それに誰と食べるか、が重要だろ」
平気で変な台詞を口走る大友に憎まれ口をたたく。
「それなら大友……んんっ! 口開けた隙に入れないでよ!」
「入れなきゃ食べないからだろ」
仕方なく咀嚼すると、大友は満足そうに目を細める。
「うまいか?」