同期は蓋を開けたら溺愛でした
おおかたの作業が終わり、あとはもう一度あの時のメンバーに見てもらえる段階まで進められた。
増永さんにも認められなければ、あのままじゃ悔しい。
「どうにかなりそうだな」
止まっていた企画は子ども向けのカッターの他に大人向けを考えなければならなかった為、土曜から作業し始め、今は日曜の午後3時。
遅くなった昼食をぼんやりと食べながら大友を見つめ、思いが溢れて言葉になる。
「色々ありがとね」
「なんだよ。急に。明日は槍でも降るのか」
「人がせっかく……。茶化さないでよ」
「ははっ。悪い」
隣から手が伸びて頭をかき回される。
私はそれを甘んじて受け入れ、用意していた言葉を口にする。
「食べ終わったら帰るね」
一瞬、かき回していた手が止まり、再びかき回しながら「帰るなよ」と甘さを伴う声がする。
そして、目を丸くするようなお誘いをされた。
「引っ越して来いよ。ここからのが会社にも近いだろ」
「近くていいけど、さすがに狭いよ」
それに今の微妙な関係で、仕事に集中していない時に大友のアパートに2人きりでいられるほど、私は鋼の心臓をしていない。
今だって急な触れ合いに心臓は途端に騒がしくなる。
それなのに大友は私の気持ちを顧みず、さらに上をいく台詞を口にする。