同期は蓋を開けたら溺愛でした
「そう? 俺はお前がいればどこだっていいけど」
当たり前のように言われ、動揺を悟られないように不満げに言う。
「大友とルームシェア?」
「同棲って言えないわけ?」
「同……棲って」
かき回していた手は止まり、ぐちゃぐちゃになった私の頭を両手で捕まえると、引き寄せておでこ同士をグリグリと擦りつけられる。
「帰さない」
胸がギュッと痛くなって苦しい。
「帰るよ。だってアパート荒れ放題だもん」
「ははっ。そっか、そうだよな。落ち込んでたもんな。お前」
走馬灯のようにここ数日が思い出され、つらくなる。
もうあんなつらい日々はこりごりだ。
大友は重ねて小さく言った。
「何もしてやれなくて、ごめんな」
「そんなこと、そんなことない」
鼻の奥がツンとして不覚にも自分から抱きついてしまった。
抱きついた私の背中を大友は優しくトントンとたたく。
「疲れてるだろ。根詰めて作業してた。取って食やしないから、このまま寝てけよ」
ほら。目、つぶったら。
そう言われ、目をつぶると鼓動が騒がしかったはずなのに、疲れていた体は簡単に夢の世界へといざなわれていった。