同期は蓋を開けたら溺愛でした

 不意に目が覚めて、気がつくと周りは真っ暗だった。
 あれからベッドに運ばれたのか、ベッドの上で抱きしめられて眠っていた。

 逃げ出さないようになのか、がっちりと腕を回されている。

 自分の置かれた状況に戸惑いつつも、眠って無防備な大友に安堵し、目の前の寝顔をまじまじと見つめる。

 整った強面な顔立ちは、目が閉じられ穏やかな寝息を立てる。

 こんな時に里美の言葉が思い出され、鼓動が速まる。

『してみたらよかったじゃない』
 そう言われた、キス……。

 すぐ近くにあるくちびるに手を伸ばす。
 ドキドキと速まる鼓動を感じながら、そっと指先で触れてみる。

 うわ。思ったより柔らかい。

 体中が筋肉でできているかと……。そんな間抜けな感想を浮かべていると、突然動いた大友に心臓が飛び跳ねた。
 触れていた手は捕まえられ、慌てふためいても後の祭り。

「何? キス、したいわけ?」

 ゆっくりと目を開けた大友は私を真っ直ぐに捕らえた。
 その瞳から逃れられない。

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