同期は蓋を開けたら溺愛でした
「恵麻」
「ん……」
「おい、恵麻!」
すぐ近くで声がして目を開けると至近距離に大友の顔があって、目を丸くする。
「ど、どうしたの?」
「どうしたもこうしたも……。だから飲ませなかったのに、飲まなくてもこうなのかよ。お前は」
言われて自分の体を確認すると、どう見ても私が大友の体に手足をがっちり絡めていた。
寝る直前にしがみついてやる! とは思ったけれど、その時とは比じゃないほどに絡みついている。
「ご、ごめん!」
器用に絡ませている腕や脚を解いて、どうにか大友と距離を置く。
大友は背を向けてため息をつくと呆れたような声を出す。
「パンケーキ。作るんだろ?」
「うん」
「なら、支度しろよ」
朝から大騒ぎして作ったパンケーキ。
なんとか食べられるものにはなって、2人で笑い合って食べた。
気持ちを伝えても変わらない関係でいられるかもしれない。
この時はまだそんな淡い期待を持っていた。