同期は蓋を開けたら溺愛でした
「よっぽど恵麻の負担にならないように、なんでもない感じを装ったんだね。言うまで悩んだんじゃないかな。私にもポロッとこぼしたもの」
「なにを」
もう何を言われても驚かない。
里美がおかしくなった大友をこんなに擁護するとは思わなかった。
「恵麻に気持ちを言って避けられるのが怖いって」
そんなわけ……そんなわけない。
大友はいつも余裕で、昨日だって戸惑っている私を普通の顔して泊めたりした。
手を絡めて、平気で指先にキス、まで。
今さら思い出してぶわっと顔が熱くなる私に里美は「どうしたのよー」と興味津々だ。
「いや、なんでもない」
顔を隠してもニマニマしている里美からは逃れられない。
「恵麻はさ、甘えたりして本当は可愛い面もあるんだから。大友くんに甘えてみたらいいじゃない」
「……里美だから甘えられるんだよ」
「ふふっ。うれしいお言葉」
トレイいっぱいのランチプレートを運んできた店員さんが「日替わりランチです」とテーブルに置いていく。
運ばれたランチに話は一時中断された。
盛りだくさんで品数豊富なプレートは色鮮やかで美味しそうだ。
けれど美味しいはずの野菜の味がなんだかわからなくなった。