同期は蓋を開けたら溺愛でした

 エスカレーターに押し出され、見ていた階に到着してしまった。
 手を引かれ、次のエスカレーターに乗り込む列の流れから外れる。

「洗濯してる間、何もなしは俺が困る」

 当たり前に言われて、こっちは返答に困る。

「だって、サイズとかバレちゃうでしょ」

「そんなの、そのうち知るから同じだろ」

 そのうち知る、その真意を汲み取って顔が熱くなる前に抗議する。

「し、知らせないから!」

「いいから買えよ。一緒に買うのが嫌なら俺は自分の服を見てくるから」

「大友こそ、ずるい。下着を買う並みに一緒に見たくないわけ?」

 寂しい気持ちが押し寄せ、眉尻を下げて見上げると大友は頭をかいて視線をそらす。

「同じとは言わないけど、今日は勘弁して」

 寂しく思いつつも私も着替えがないのは困るので、大友の意見に押し切られ待ち合わせ時間を決めて別れた。

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