同期は蓋を開けたら溺愛でした

「おはよ」

 朝のまぶしい光の中で大友がぼんやり映り、急激に意識が覚醒して飛び上がる。

「ご、ごめん」

「なにが?」

「えっと、その……」

「自分がけしかけてきたくせに、寝落ちした無神経さ?」

 鼻をかじられて小さくなる。

「お前のそういう人を振り回すとこ、今に始まったわけじゃない」

 本当だよ。
 お風呂に行った大友を待つ僅かな時間に寝落ちするなんて……。

「ごめんなさい」

 しおらしく謝ったのにククッと笑われる。

「どうして笑うの?」

「いや、悪いって思うくらいの気持ちはあるんだなって」

「そりゃそれくらい……」

「ん」

「……なに?」

 指先でトントンと自分の頬を指す大友に怪訝な声を出す。

「前に、断られたなあと思って。ごめんなさいのキスでもしてもらおうか」

 改めて言われると恥ずかしい心持ちになるけれど、大友の肩に手を置いてそっと唇を寄せる。

「許して、くれる?」

 頬に手を当てる大友が「ああ」とどこか気の抜けた声を出す。

「いちいち、かわいくて本当……」

 腕を引かれて胸の中に収められる。
 ギューッと痛いくらい抱きしめられてから「会社に遅れるぞ」と言われ、頭にキスを落とされた。

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