同期は蓋を開けたら溺愛でした
「俺、どう足掻いても華奢にはなれないから」
「え? なる必要なくない?」
私の声を聞き、不満な色をたっぷり含ませた瞳を向けられて大友はぼやく。
「軟弱な男がタイプの奴がよく言うよな」
目を丸くして手にしていたマグカップをローテーブルに置いた。
「じゃ、私のために、ダイエット目的で鍛えて……」
「いや、鍛えると筋肉にはなっても痩せはしない」
言葉の真意が掴めなくて、きょとんとしていると大友は言葉を重ねた。
「がたいが良くて、すぐに筋肉がつく体質が俺自身は好きなわけじゃない。でも鍛えなきゃだらしない体になるから、仕方なく最低限の……」
「じゃ阿部くんは私をからかっただけなんだね」
そう納得していると呆れた声が発せられる。