同期は蓋を開けたら溺愛でした

「どうやって俺の話を聞いていたわけ?」

「だって、別に私のためでもなんでもなくて……」

「お前に、見せる機会が今後あるかもしれないからだろ。もしもの時にだらしない体型してられない」

「嘘、そんな、理由?」

 マジマジと見つめると大友は腕で顔を隠してしまった。

 もしもって、つまり昨日みたいな……。

 急に昨日の色っぽい大友が頭の中で再生され、顔から全身へ熱くなっていくのが分かる。

 そしてハタと重要な事柄に気づく。

「待って、待って。私の体型見せられないよ!」

 大友のよく分からないストイックさを聞いて、私は自分を省みてしまった。


< 260 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop