同期は蓋を開けたら溺愛でした

「……は?」

「だって、そこら中がムニュッとしてて……ひゃあ!」

 脇腹をつままれて変な声を上げる。

「本当」

 ククッと笑う大友を睨みつける。

「レディに失礼です」

「レディって柄かよ」

 からかう大友に苦し紛れの言葉をこぼす。

「私もダイエットする」

「しなくていい」

「する」

 私は引けなくなって頑なに返す。

「いいよ。ダイエットしたら、その倍、食わせるから」

 そんな元も子もない発言も、大友ならやり兼ねない。

「ほら、余計な心配してないで、飯食って準備しろよ。風呂入って帰るのか?」

「あ、ううん。自分のアパートに戻ってからシャワー浴びる」

「そっか」

 頬を撫でられ、急な甘い雰囲気に小さく胸がドキンと音を立てる。

「やっぱり一緒に暮らしたいな。考えておいて」

 柔らかな眼差しで言われ、小さく頷いた。

< 261 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop