同期は蓋を開けたら溺愛でした

 新しいアパートの下見に引っ越しの準備。
 週末になると大友のアパートにお泊まりをする。

 そんな幸せな恋人の時間が、終わりを迎えそうな事態が起こるとは、このときの私はまだ知らなかった。

 8月24日。
 待ちに待った文房具フェス。

 会場準備は、社内での資料作成に始まり、前日行われる我が社の会場ブース内の商品の陳列まで。

 目まぐるしく時が過ぎ、当日を迎えた。

 文房具フェスは有名企業から小さな会社まで、さまざまな文具メーカーが一堂に会する滅多にない機会。

 私も、木森文房具の社員としてはもちろん、イチ文房具ファンとしても胸踊る日だ。

 入場は無料の上、まだ世に出る前の目玉賞品や注目賞品を、サンプルとして無料でもらえるのも最大の魅力。

 現在売り出されている商品の購入も可能だが、みんなの目的はこのサンプル品だ。

 木森文房具ブースの一角を任された私と大友は『三色蛍光マーカー』と『サラット』をサンプルとして準備してあった。

< 305 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop