同期は蓋を開けたら溺愛でした

「だから! 受付の水野さん? 総務の真紀ちゃん? あんたが好きな人ってああいう綺麗な清楚系でしょ? 私みたいなどっちかっていうと元気系は違うじゃない」

 不意に手を握られ、不正脈どころか本気で心臓が止まりそうになる。

 大きな手は簡単に私の手を捕まえると、指を絡めてきた。

「何、これ」

「もう、お前が俺の目の前で他の男と付き合うのは我慢できない」

「飲みすぎだよ。大友。今日、ピッチ早いでしょ」

 絡む手がただの同期の触れ方ではないくらい私にだってわかる。
 だからって、はいそうですかと、頬を染められない。

「そう思いたいなら思えばいいだろ。俺は本気でお前を落としに行くから」

 絡めた手を自分の方へ引き寄せた大友は、私の指先にキスをした。

< 4 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop