同期は蓋を開けたら溺愛でした

 カフェを出ると、1階だと忘れていた自分を叱りたくなる人物と出くわしてしまう。

 受付をしている水野さんと、会う確率が格段に上がるのだから。

 向こうも私たちに気づいて、目を丸くした。

 居心地の悪さを感じ、どうしようかと思う間もなく、彼女の方が足早に去っていく。

 驚いて大友を見上げても、どこ吹く風。

「ねえ。大丈夫なの? 凶悪犯に会っちゃったみたいな怯え方してたよ」

「恫喝ってほどじゃない」

「どう、かつ?」

 大友の言う意味が理解できず、頭にハテナが浮かぶ。

「なんでもない」

「もー」

 文句を言っても、大友は涼しい顔でエレベーターのボタンを押した。

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