孤独な私が愛を見つけたら
ただ事実だけを話すのか、それともあの時感じた想いも一緒に話すことが出来るのか…。

「吉田さんはとても驚いた後、すごく喜んでいた。でも…。」

珍しく歯切れの悪い香織さん。

「佐奈ちゃんと坂下くんはどうなったの?」

香織さんもやっとの思いで、私に投げかけた言葉だったんだろう。

そう言うと、大きな溜息をついた香織さん。

「坂下くんの様子がおかしいのよね…。」

香織さんは私に意識的に目を合わせた。

「今まで4人で居ても、いつも余裕だった坂下くんが、佐奈ちゃんとわざと目を合わせないような気がするのよね。」

あれから1度、4人で恒例の夕食に出掛けた。

その時の様子を言っているのだろう。

私自身が坂下さんの方をまともに見られなかったので、坂下さんのそんな様子に気が付かなかった。

「お互いに意識している?」

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