孤独な私が愛を見つけたら
香織さんはゆっくりとうなずいて、私の肩に手を置いた。

「あんな風に自分の考えている事を表に出す事も、時には大事なのよ。」

そして呆然としている私の顔に笑いかけた。

「もう少し私も分かりやすい指示を心掛けるわ。じゃあね。」

私は痛い所を突かれて、動揺を隠せなかった。

こんな風に人とのやり取りで、焦るのは初めてかもしれない。

「まだ…、こんなに…。」

私は残っている修正部分を確認して、うんざりする。

見直してみると、よくもこれだけ間違った入力に気が付かなかった自分に驚く。

「そりゃ、香織さんも怒りたくなるわけだよね。」

私は頬杖をついて、コーヒーを一口飲んだ。

「佐奈…?」

私は後ろからの声に無意識に反応した。

「坂下さん…。」

< 151 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop