孤独な私が愛を見つけたら
もしかしてあの時、うちのアパートに来てくれたのは吉田さんだけではなかったということだろうか。

「佐奈が吉田さんを望んだのなら、俺には何も言う事はない。」

今日はやっぱり坂下さんに私は避けられていたんだ。

「うっ…、うっ。」

私は何とか涙をこらえようとしたが…。

「幸せにな。」

坂下さんが出て行こうとする気配がする。

自分でも意識しないうちに椅子から勢いよく立ち上がっていた。

「さ…、坂…下…さん…。」

嗚咽で上手に自分の好きな人の名前もうまく口から発せられない

思わず坂下さんの背中に抱きついていた。

「さ…、えっ?佐奈?」

坂下さんの戸惑いが背中から私に伝わる。

「行かないで下さい。私を置いて行かないで下さい…。」

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