私の主治医はお兄ちゃん


優「美音、ちゃんと食べれて偉かったなぁ!」

優也兄はそんな当たり前な事を頭を目一杯撫でて笑顔で褒めてくれた。


美「だから食べられるって。子供じゃないもんっ!」

子供扱いされてる事に少し不貞腐れ気味に言い返すと



優「じゃあお薬も頑張ろうな!」

笑顔でそう言った。


なになにその笑顔。

そんな優しい笑顔が悪魔のように見えてきた。



美「く、薬?」

聞き返してみると優也兄は再び笑顔になって薬を出してきた。


優「頑張ろうな?」

そう言ってるのには訳があって。
錠剤は大きいし、粉薬もあるし…
しかもカプセルのも……

どれも苦手なやつばかり…


それに

美「お薬の量多くない?」


優「それだけ今の美音は体調が良くないって事。ほら飲んじゃお!」

そう言ってお水を渡してきた。


でも…飲まなきゃまた迷惑かけるし…


美「う、うん」


粉薬は苦いから最後にしよう…

とりあえずカプセルのやつから…


一粒取って口に入れ、そのままお水で流し込んだ。


けどうまく飲み込めない。


これだから薬苦手。



ゴクゴクと飲み干すお水。

…ダメだ。



美「ちょっとお手洗い……」

優「ダメ。」


厳しい優也兄はそんなの許してくれるはずもなくて。


優「一緒に頑張ろうか。」

悪魔のささやきが聞こえてくる。






結局それから15分近くかけて薬を飲まされた私。


また迷惑かけちゃったよ……







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