メランコリック・ラブ
ピンポーン・・・
「はい」
扉の奥から康介の声が聞こえた。
「あ、瑞ですけどー」
「・・・」
ガチャ、
「・・・・何」
康介はあたしの姿を確認すると
面倒くさそうに頭を掻いて言った。
勿論、こんなの慣れてます。
「康介今日一人でしょ??
母さんがうちで一緒に食べようって」
「マジ??今日の夕飯何?」
「シチュー」
「行く」
康介はあたしの母さんの作ったシチューがお気に入りのようで、
それを知ってる母さんは
康介が来るときはいつもシチューにしている。
「シチューだから来るのかよ~??」
と茶化すように言うと、
「や、小母さんのつくったシチューマジ美味いし」
とためらいもなく言った。