メランコリック・ラブ





「おっじゃましまーす」



「あら、いらっしゃい康介君!

よく来たわね~」


母さんは康介がお気に入りだ。

顔もいいし、


礼儀正しいし、


出したモノを美味しそうに食べてくれるから、らしい。


でもアタシから見ればこんなの猫を被ったようなもので、


顔はいいけど口は悪いし、

(何でかあたしだけに)

礼儀なんて幼馴染のあたしには

一切気を遣わないし、


部活で疲れてるから食べ物は何でも食べるし、

・・・・でもあたしの作ったのには文句を言うわけで。




何で!??



あたし康介の恨みを買うような事した!!??








「ごちそーさんでしたー」


「今日もよく食べてくれたわねぇ~

瑞はダイエットだ~とか言って最近はあんまり食べてくれないし・・・」


「 ! 」


ぐ、・・・母さん余計な事を・・・!!!


「じゃあゆっくりしていってね~」

「はーい」

康介はやる気があるのかないのか分からない程度の返事をすると

躊躇もなくあたしの部屋へと向かった。




< 4 / 161 >

この作品をシェア

pagetop