メランコリック・ラブ
「おっじゃましまーす」
「あら、いらっしゃい康介君!
よく来たわね~」
母さんは康介がお気に入りだ。
顔もいいし、
礼儀正しいし、
出したモノを美味しそうに食べてくれるから、らしい。
でもアタシから見ればこんなの猫を被ったようなもので、
顔はいいけど口は悪いし、
(何でかあたしだけに)
礼儀なんて幼馴染のあたしには
一切気を遣わないし、
部活で疲れてるから食べ物は何でも食べるし、
・・・・でもあたしの作ったのには文句を言うわけで。
何で!??
あたし康介の恨みを買うような事した!!??
「ごちそーさんでしたー」
「今日もよく食べてくれたわねぇ~
瑞はダイエットだ~とか言って最近はあんまり食べてくれないし・・・」
「 ! 」
ぐ、・・・母さん余計な事を・・・!!!
「じゃあゆっくりしていってね~」
「はーい」
康介はやる気があるのかないのか分からない程度の返事をすると
躊躇もなくあたしの部屋へと向かった。