交わることはない

式②☆☆

朝早くから式場に入り準備をする。

真っ白なウェディングドレスに
身を包む。

< コンコン >
入り口に立ち尽くす
・・・遥・・・

「?‥‥は‥‥る‥?」
グレーの燕尾服に包まれた遥
高身長の彼は、モデルみたいに
カッコいい。
私もいささか見とれていたが
それでも、なにも発しない遥に
声をかけた・・

遥は、足元に視線を落として
「‥‥‥む‥‥りっ‥‥」
と、ささやいた。
その囁きは、私の耳に届き
えっ、結婚いやなの?
私では無理なの?
と、腰がストンと椅子に落ち
両手で顔を覆う・・・・と

「ちっ、違う!
七湊があまりにも綺麗過ぎて
他の人に見せるのは無理だと
心がざわついたのが
・・漏れでた・・だけ」
と、膝を折り
私の両手を握りしめた。

安堵からか、私の瞳には
光ものが・・・
それを遥は、そっとティッシュで
おさえてくれて
「綺麗だよ、七湊。
本当にすごく綺麗
こんな綺麗な人が俺のお嫁さん
だなんて、嬉しすぎる。」
と、言う
「‥‥びっくり‥しちゃった‥
でも、ありがとう、遥
遥は、うふっ、モデルさんみたいよ。」
と、言うと遥は赤面しながら
唇にチュッとキスをした。

それからは、遥の両親、大夢さん夫妻
鈴さんのご両親、おじいちゃまと本木さん
お父さんが部屋にきて
大夢さん夫妻と鈴さんのご両親に
挨拶をしていた。

少しするとお母さんが秘書の弦さんと
やってきて遥のお母様のあすかさんと
抱き合い
大夢さん夫妻と鈴さんのご両親に
挨拶をしておじいちゃまと本木さんと
話してから
「七湊、遥君、おめでとう。
七湊っ、すごく綺麗よ。」
「大沢さん、初めまして
青井 弦と申します。
みのりさんの秘書をしております。」
と、言い
「本日は、おめでとうございます。
七湊ちゃん!ほんとっ、綺麗。」
と、涙目で話す弦さんに
「大沢と申します。
宜しくお願い致します。」
と、遥が言った後で
「弦さん、お母さんを送ってきて
くれたんですね。
ありがとうございます。
披露宴では、宜しくお願いします。」
と、言うと
「はい、楽しみにしております。」
と、言って、おじいちゃまの
所にいって話をしていた。

そうしている内に式の時間となり
私とお父さん以外は、教会へと
移動した。

私はお父さんと二人で入場する。
お父さんから
「七湊、幸せになるんだよ」
と、言ってもらい
「お父さん、今まで大切に
育てて貰いありがとうございました。
これからは、遥と共に歩いて行きます。」
と、挨拶をして・・・

厳かなパイプオルガンが
奏でられる中
お父さんと一緒に進む‥‥

お父さんは、涙ぐみながら
遥に私を渡して
「遥君、七湊をお願いします。」
「はい、二人で幸せになります。」
と、遥は、父に一礼して
私の手を自分の手に添えた。

神父様の言葉
誓いの言葉
指輪の交換
誓いのキス

ライスシャワーを浴びながら
教会を後にした。

私のプーケは、鈴さんに
私から手渡した。

鈴さんは、驚いていたが
涙を流しながら
「七湊ちゃん、ありがとう。」
と、言い
「七湊、ありがとう。」
と、大夢さんも言ってくれたから
私は首を横にふり
遥の顔を見て微笑んだ。
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