交わることはない
赤ちゃん③☆☆
次の日は、朝から千(ゆき)が病室にきた。
遥は、一度帰宅してスーツを着替えて
病室にやってきた。
千が、初めて七湊から
母乳を飲むのを見て
上手に吸う我が子にびっくりするのと
俺のなのに・・と嫉妬がわいたり
自分の子なのに・・・
母乳を飲んでゲップをさせている
七湊は、母親の顔をしていて
遥は、母親とは、すごいなぁ
と、感心していた。
千は、お腹もいっぱいになり
眠ってしまった。
遥は、頬をツンツンしたり
手を触ったりしながら
「クスクスっ、可愛いね。」
と、七湊が言うと
「見ていて、飽きないね。
色んな表情をしてくれて」
「そうだね。遥、疲れてない?」
「大丈夫だよ。七湊は問題ない?」
「うふふっ、大丈夫。」
と、言うと
遥は、七湊にキスをしてから
会社に出社した。
千(ゆき)は、泣いたり、眠ったり
1日があっと、いうまに終わっていく。
おじいちゃまと本木さんは、
会社の様子を見に来た帰りに
寄ってくれて
これでもかと言うほど
おもちゃや服を置いていく。
ひ孫が、可愛くてたまらないみたいで
抱いて、起こして
泣く千(ゆき)を見て喜んで
本木さんに叱られていた。
おじいちゃまは、
体には問題ないようで
私も本木さんもホッとしていた。
お義母さんが、買い物帰りに寄って
くれたり、入れ替わり立ち替わり
みんな顔を見せてくれた。
笑子ちゃんと亮さんもきてくれて
可愛い、可愛いと二人とも
連発していた
「次は、笑子ちゃんだね。」
と、言うと
亮さんと顔をあわせて嬉しそうにしていた。
弦さんも自分の病院の帰りに司さんと
少しだけ来てくれた。
弦さんも順調みたいで
「本当に、良かった。
身体大事にしてね。」
と、言うと
「ありがとうございます。」
と、弦。
「あっ、それと
お母さんが、海外に行ったり
向こうで倒れたりして
心配かけて、すみません。」
と、言うと司さんが
「社長は、私達の事と
弘二の将来の事を考えて
行動してくれたのです。
本当にすごい人です。
あんな小さい体なのに
バイタリティー溢れています。」
と、言うから
「クスクスっ、本当に小さいのにね。」
と、言うと
「そんなつもりでは・・」
と、あわてて言う司さんに
「司さん、弦さん、弘二さんが
いるから、やれていると
思っています。
言い出したらきかないくせに
おっちょこちょいだし。」
と、言って三人で笑った。
七湊は、母の会社の事も心配だったから
司や弦と話せてホッとした。
本来なら私に継いで欲しかったかも
知れないが
母は、私の好きな様に
やらせてくれた。