交わることはない
東吾が帰ってから
エドとみのりも帰って行った。
エドは、七湊と遥に病室内で
騒がせてしまったことをきちんと
お詫びをした。
律儀なエドに
七湊も遥もびっくりしながら
日本人よりきちんとしているかも
と、心が温かくなった。
そんなエドに七湊は、母親を本当に
大切に大事に思ってくれていて
ありがたかった。
両親は、お互いに仕事は
忙しいが、うまくいっていると
思っていた・・・・
だが、どちらかの我慢で
成り立っていたら
いつか破綻がくるのだ
と・・・わかった‥‥
だから、遥に
「いくつになっても
口に出して想いは伝えないと
お互いにわからずに
些細なことで亀裂が入って
いくんだなぁ、と思ったの。
大夢さんの事も
彼を責めてばかりいたけど
きちんと伝えなかった
私にも問題があったんだよね。
大夢さんとは、決して
交わることはないけどね。」
て、言ってから
「だって・・
私には、遥だけだから。」
と、言うと
「良かった・・・七湊が
兄さんの事を後悔しているのかと
思ってしまった。
俺も、七湊だけだよ。
七湊が大好きで、愛してる
七湊以外必要ないし
七湊がいてくれたら
なんでも頑張れるんだ。
だけど、ずっと、ずっと
気持ちは伝えていくよ
だって、俺は七湊が大好きなんだから。」
と、言って七湊を抱き締めて
ふか~くキスをしながら
七湊の耳元で
「いつになったら抱けるの?」
と、囁くから
七湊は、真っ赤になりながら
「もぅ、知らない。
ねぇ、千。」
と、言って顔をそらした。
そんな七湊が
愛しくてたまらない遥は
早く退院してこないかな
そしたら、目一杯抱こう
嫌、抱きしぶそう
と、一人でニヤニヤしていた。