はやしくんに、紫陽花の花束を。

「従兄弟に渡すんだけどさ、ギラギラしたの好きだからこの七色に光るやつにしようかな」


「へー、どんな人なの?」


「なんか変わっただよ。どこかのアパレルの店長って言ってたかな。」



ずいぶんアバウトだね、と言ってふふっと笑う。 あまり興味がないと言えばないのだけど、まぁ親戚で集まることになってしまっているし渡さないわけにもいかないだろう。


ただ、私はお小遣いで生きている人間なので、少しでも安くて良い物が手に入ると嬉しいのだけど。


「そう言えば、その従兄弟の弟のほうがね、なんかアイドルになりたいらしくて。」


「へー、夢持ってるのは良いことだね」


俺は歌ったり踊ったりは出来ないから、夢を持ってるのは凄いなぁ、と一言。この人は本当に、人の事を貶さない良い子だ。


はやしくんがオススメしてくれたコップを手に取り、レジへと持っていきラッピングをしてもらう。


お待たせしましたと言われ商品を受け取ると、持つよ。と言ってスッと私の手から離れる。


「ななせは、俺がプレゼントした袋だけ持ってて」


はーーー好き!!!!!


なんて、 言えるわけもなく。ありがとうと言った後に、はやしくんから貰ったプレゼントの紙袋をチラッと見てこう聞いてみた。


「…誕プレ、見ていい?」


「ん、恥ずかしいけど良いよ。でもお昼ご飯食べながら開けない?」


そう言って案内板の前に立ってお昼ご飯を食べるお店を決めることにした。私はパスタが食べたいなぁとボソッと言うと、俺も食べたいと思ってたと言ってニッコリする。可愛い。


なんでも良いよって言われた方が困ったと言いながら、パスタが美味しいお店へと向かう。確かに一番困る答えはなんでも良いかもしれない…


お店の前に付き、店員さんに席へと案内して貰ってやっと私はプレゼントを見れるようになったわけで。ソワソワしていると、はやしくんが笑いながらこう言った。


「見ていいよ」


待てをされてるワンちゃんみたいだね、と笑うはやしくん。ワンちゃんって…はやしくんは犬のことをワンちゃんって言うの?可愛すぎない?



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