ぜ、ん、ま、い、と、あ、た、し

ではルークとサナエは誰に? という疑念を抱いた。

キッチンにサナエとルークがいた。サナエは乳白色のスープを小皿に取り、ルークに手渡している。味見させようとしているようだ。

「いいんじゃん? ばっちり。いけるよ」とルークが絶賛する。

そうして二人でニコニコと微笑み合っていた。

彼らはきっと母子みたいな間柄なのだろうと結論付ける。

あたしは深く詮索しなかった。

夜、大抵家にいるのはあたし、サナエ、ルークの3名だった。

ナオヤ、ゴロー、シノブは外に出掛ける。

創手の情報を手に入れるために諜報活動をしているらしかった。

能天気なのはあたしだけで、皆それぞれに奔走してい

た。というよりあたしは蚊帳の外だった。

夜な夜などんな活動をしているのかは推し量りかねたが、少し心配ではあった。

ナオヤは指名手配犯だったし、召し捕られたら死刑は確定だ。それは少々忍びない。

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