極上御曹司のヘタレな盲愛
「あっ!そういえば…!」

私は起き上がってソファーに座りなおすと、ブラウスの胸元から、首にかけていたチェーンを引き出した。

「これ…」
チェーンに通してある指輪を大河に見せる。

「なんだよ。外しちゃったかと思ってたら、そんな所にかけていたんだな…」
と嬉しそうな顔をした。

「大河がくれたの?」

「当たり前だろ。外したらお仕置きの男除け指輪」

「お…男除け指輪?婚約指輪じゃなくて?」

「婚約指輪は、もっといいものをやる。
マリッジリングも…もう…とっくに用意してあるんだ…」

ちょっと待ってろ…と言って大河はリビングの向こうの部屋に消えた。

しばらくして戻ってくると

「桃…左手出して…」

大河は私の目を見つめ、差し出した左手をとると、まるで王子様のように片足で跪く。

「桃…。今までも、これからも…桃だけを変わらずずっと愛し続けて…幸せにするから…。
俺と結婚して、ずっと傍にいて下さい…」

そう言うと…大河は返事も聞かずに私の左手薬指にシンプルだけど甘めなデザインの結婚指輪を嵌めてキスを落とし、私の顔を見て優しく微笑んだ。


胸がいっぱいになった私は、大河の青みがかった綺麗な目を、涙目でじっと見つめる…。


「私も…大河の事を…愛してる…」


私に愛してるって言われた大河が、耳まで真っ赤になるのを見て…。

なんだか俺様男の弱みを見つけた気がして…頬が緩むのを止められなかった…。



その後…何だかんだと言いくるめられて…結局一緒にお風呂に入り…ドキドキが止まらないまま…記憶を失った私にとっては初めて…大河と同じベッドで眠る事になった…。


大河は優しく私の髪を撫でながら、慰安旅行の日から歩道橋の事件のことまでを、順を追ってちゃんと話してくれた。

事故後、記憶を失った私に、どうしてみんなが結婚の事などを何も言わなかったのかも…。

斎藤さん…。

小さく震えた私を、大河は優しく抱きしめ

「大丈夫だから……おやすみ…」

大河の腕に包まれて…この数日間…ずっと眠れなかった私は…あっという間に深い眠りに落ちていったのだった。

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