極上御曹司のヘタレな盲愛
そんな頃…。
初等部から高等部まで一緒の賑やかな学食で…。

昼飯を食った後に、バスケ部の奴ら数人と食後のアイスを食いながら、くだらない話をしていた時だった。

「光輝の妹、本当に綺麗だなぁ…」
バスケ部の田辺が小声で言い出した。

その視線の先には、三つほど離れた席で昼食をとっている花蓮と、その友人達がいた。

パッと目立つそのグループは、中等部のカーストの中でも所謂、一軍と言われるような存在なのだろう…。

花蓮の友人達はみんな、周囲の男子達の目を十分に意識している女ばかりだ。
そのうちの二人は、双子の誕生日パーティーでも何度か見た事がある奴らだ。
中学生のくせに髪を巻き…唇もリップでテカテカと光り輝き、薄化粧までしている。
やはり…俺は花蓮の友人達は苦手だ…。

花蓮は髪も真っ直ぐでリップなども塗ったりしていないが、その目立つグループの中でもとりわけ容姿が抜きん出ていた。

「大人っぽいし…中坊とは思えないな…」

他の奴らも口々に花蓮の容姿を褒めだしたが。
アイツの中身は口煩いオバちゃんだぞ?
そう心の中で思いつつ、俺は黙ってアイスを齧っていた。

「そういえばさ…双子のもう一人もよく見ると可愛いよね…」

ピクッ!相田が言い出したので、アイスを齧りかけて止まる…。

「そうそう、全然タイプが違うけどな…」

「うん。なんかこう…守ってあげたくなるような感じなんだよな…。それにこの間俺、バスの中で偶々隣に立っていたんだけど、あの子メチャいい匂いがしてさ…。兄貴の光輝の前じゃ言いにくいけど、ホント抱きしめたくなっちゃったよ!」

言いながらギュッと抱きしめる動作をするので、俺と光輝の眉間に深い皺が寄った。
テーブルに伏せてダレていた悠太が、そっと俺達の様子を上目で窺ってくる。

そんな俺達に周りの奴らは気づく事なく…。

「いいなぁ、光輝が羨ましいよ。美人な妹と可愛い妹!俺も欲しいぜ!」

「馬鹿だなぁ。妹だったら付き合えねぇじゃん!せっかくとびきりの女子二人がそばに居てもさ…」

「だよなぁ。大河や悠太の位置が一番美味しくね?幼馴染って…」

「…だな。で、どうよ。お前らはどっちが好みなんだ?俺は断然、美人の花蓮ちゃんがタイプだな…付き合ったら周りに見せて自慢しまくる!」

田辺が言い出して、とうとう双子のどちらがタイプなのかという話になった。

4人が花蓮派だったが、相田を含め2人が桃派だった。
俺と光輝と悠太は勿論、数には入っていない。

「ずっと黙ってるけど…大河と悠太は双子のどっちがタイプなんだよ。子供の頃から知ってるんだろ?姉か?妹か?どっち?」

田辺がしつこく訊いてくる。

「俺は…」
悠太が何か言いかけたのを遮って俺が言う。

「双子の『妹』の方は、昔から俺のものだから、お前ら…絶対に手を出すなよ!」

他の奴らへの牽制だったが…多分に悠太に釘をさすつもりもあり、結構強い口調で大きな声になってしまった…。


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