ことほぎのきみへ
持ちやすくて食べやすい
ボールドーナツにしたのが大正解で
小さな子連れやお年寄り
容れ物にもこだわって
かなり見た目も可愛くしたから
カップルや若い人達
幅広い年齢層の人達に
たくさんドーナツを買ってもらえて
私のクラスのドーナツ屋さんも
中々に繁盛していた
昼過ぎ
校庭の特設ステージでイベントが始まったからか
人波も引いてようやく一息つけた
「いろは」
「!ひさとさん」
イベントの様子を窓から窺ってると
後ろから聞き慣れた声が響いて
振り返ればそこにはひさとさんがいた
姿を見た瞬間
嬉しくなって、ぱぁっと満面の笑みを浮かべる
「お疲れ」
「来てくれてありがとうございます
……矢那さんは?」
矢那さんもひさとさんと一緒に
見に来てくれるって話だった
隣に姿がなくて首を傾げる私
「急に仕事入ったんだって
いろはに謝っといてって」
「……そうですか」
すごく残念だけど、お仕事なら仕方ない
後日ドーナツだけでも渡そう
「色々種類あるんだね」
「はい。ひさとさんどれにします?」
「いろはのおすすめでいいよ」
「じゃあ、これとこれと……」
おすすめのドーナツを組み合わせて
容れ物にいれて、ひさとさんに手渡した
「柳、俺が代わるから休憩行ってこいよ」
「いいの?」
「ああ」
私とひさとさんのやりとりを
見ていた様子の長月君が
気を遣ってそう申し出てくれて
ほんの少し悩んだけど
せっかくひさとさんが来てくれたから
私は素直にそれを受けとることにした
ボールドーナツにしたのが大正解で
小さな子連れやお年寄り
容れ物にもこだわって
かなり見た目も可愛くしたから
カップルや若い人達
幅広い年齢層の人達に
たくさんドーナツを買ってもらえて
私のクラスのドーナツ屋さんも
中々に繁盛していた
昼過ぎ
校庭の特設ステージでイベントが始まったからか
人波も引いてようやく一息つけた
「いろは」
「!ひさとさん」
イベントの様子を窓から窺ってると
後ろから聞き慣れた声が響いて
振り返ればそこにはひさとさんがいた
姿を見た瞬間
嬉しくなって、ぱぁっと満面の笑みを浮かべる
「お疲れ」
「来てくれてありがとうございます
……矢那さんは?」
矢那さんもひさとさんと一緒に
見に来てくれるって話だった
隣に姿がなくて首を傾げる私
「急に仕事入ったんだって
いろはに謝っといてって」
「……そうですか」
すごく残念だけど、お仕事なら仕方ない
後日ドーナツだけでも渡そう
「色々種類あるんだね」
「はい。ひさとさんどれにします?」
「いろはのおすすめでいいよ」
「じゃあ、これとこれと……」
おすすめのドーナツを組み合わせて
容れ物にいれて、ひさとさんに手渡した
「柳、俺が代わるから休憩行ってこいよ」
「いいの?」
「ああ」
私とひさとさんのやりとりを
見ていた様子の長月君が
気を遣ってそう申し出てくれて
ほんの少し悩んだけど
せっかくひさとさんが来てくれたから
私は素直にそれを受けとることにした