溺愛依存~極上御曹司は住み込み秘書を所望する~
週が明けた月曜日。勤め先である『フジオカ商事株式会社』に出社して業務に励む。
あれから……。彼がスイートルームから出て行き、ひとりになるとバスルームの窓の外に広がる東京の大パノラマを見ながら大きなバスタブに浸かり、日頃の疲れを癒した。
そして高級ブランドアメニティを使って潤った肌に満足し、オープンテラス席でモーニングブッフェを堪能して自宅マンションに帰った。
プチ贅沢をして元気をチャージした今の私は、忌まわしい過去を忘れることができずに泣いて、慰めてもらったことが嘘のようにハツラツとしている。
いつまでも塞ぎこんでいても仕方ない。しっかりしなくちゃ……。
前向きになった私は、ある決意を固めた。
地上二十五階建てのスタイリッシュな外観が目を引く『東京プリマホテル』に到着する。
高級車や黒塗りのタクシーがメインエントランス前に乗りつけられるのを横目に、脇にある従業員専用の通用口に急いだ。
毎月のお給料から家賃である二十万円を払い、光熱費と生活費、そして食費を捻出するのはかなり厳しい。