溺愛依存~極上御曹司は住み込み秘書を所望する~

婚活パーティーで知り合った彼、田中実(たなか みのる)さんは経営コンサルティング会社に勤める三十二歳。

黒縁メガネの下に見える切れ長の瞳が印象的なカッコいい彼に惹かれるのに、時間はかからなかった。

婚活パーティーから二カ月が経ったとき、「僕と結婚してください」とプロポーズされた。

優しくて素敵な彼からのプロポーズはとてもうれしくて、すぐさま「はい」と返事をした。


結婚式をあげる場所として、レインボーブリッジが綺麗に見えるお台場のホテルを選んだ。ここはふたりが初めて出会った思い出の場所だ。

ボリューミーなプリンセスラインのウエディングドレスを試着すると、彼が瞳を細めて優しい笑みを浮かべてくれる。

「綺麗だよ。菜々子(ななこ)」

彼の短い褒め言葉はとてもうれしくて、照れながら「ありがとう」と微笑み返した。


恵比寿にある2LDKの賃貸マンションで、新生活をスタートさせることに決めた。ここからなら勤め先に近いし、彼も乗り換えなしで通勤できるらしい。

家賃二十万円は決して安くはないけれど、経営コンサルティング会社に勤めている彼と、私のお給料を合わせればなにも問題はない。

いつか庭付き一戸建てのマイホームに住むことを夢見て、これから始まる生活に心を躍らせて引っ越しの手続きを済ませた。

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